時代が非管理型モデルに向かいつつある中、「アンビショナーズラボ これからの時代のホラクラシー組織を学ぶ」も2018年3月8日に第3回を迎えた。これまで飛び出してきた非管理型経営に関する話を、私たちはどのように活かしていけるのか。今回は、実践するにあたって理解必須となる、非管理型組織の本質と「学習する組織」との関連性、そして非管理型経営には欠かせない”個の覚醒”について解き明かしていく。
尚、本企画は「ホラクラシー組織」の本質を探求する講座としてスタートしたが、メインゲストのダイヤモンドメディア社、武井氏により、アメリカ発のホラクラシー組織、またティール組織と武井氏の実践する非管理型経営※では、根本となる思想が大きく違うことが明らかになってきた。そこで文中では、主に「非管理型組織」について解き明かすものとしてお伝えしていく。
※武井氏は「自然(じねん)経営」としている

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■ 非管理型経営の12の要素
■ 非管理型組織が「学習する組織」である理由
■ 「個の変容」が起きる時代
■ 個が変容するためには何が必要か

 ■非管理型経営の12の要素 

第1回のダイヤモンドメディア社 武井浩三氏の話、第2回の非管理型経営を行う5名の経営者による話から、非管理型組織に共通する要素が見えてきた。この「12の要素」について、アンビショナーズラボ代表の熊平美香氏が”学習する組織”との共通点を交えながらプレゼンテーション。今後我々が非管理型を目指すために押さえておきたいエッセンスが抽出された。

1 組織はデザインしてもよい!

 ここに集う皆さま、記事を読む皆さまは、少なからず非管理型経営に興味をお持ちだと思いますし、実際に目指そうとしている方もいらっしゃると思います。でも組織というのは、1つとして同じものがないんですよね。経営者のカラーも違えば、ビジネスの中身も、そこに集う1人1人も違う。だから、全く同じものを目指すとか「これをやったから上手くいく」というものはない、というのが大きな気づきでした。5社の経営者に話に伺ってみると、非管理型経営の究極の形だともいえる武井さんのダイヤモンドメディア社をはじめ、それぞれの企業が各々のやり方で非管理型経営を取り入れていらっしゃいました。ここでお伝えすることはあくまでエッセンスでしかなく、最後は1社1社の持つものに合わせてデザインしていくという姿勢が非常に大事だと思います。

2 「なぜ」から始まる組織 ボスは「パーパス」

 どの組織も「我々はなぜ何のために存在するのか」というパーパス(目的)がはっきりしていました。例えば「社会のこの課題を解決する」「お客様にこんな価値を提供する」といったことです。非管理型経営では、ボスは社長ではなく、パーパスそのものだと言われていますが、まさにあらゆるところでパーパスが核になっていると感じました。

3 結果指標ではなく”原因”指標を持つ組織

 ホラクラシー経営では、組織の中長期計画があまり作られていないとされていますが、5人の経営者の方は事業における未来予測ははっきりできていると感じました。なぜなら、パーパスに向かっていくためのシナリオがあるからです。「1年間で売り上げいくらを達成する」といった結果指標ではなく、その途中途中でシナリオに沿って、パーパスに向かっているか、それぞれの会社ではある程度見定めることができるようになっていました。

4 ボスらしくない「ボス」がいる組織

 経営者の方全員に共通していたのは「権威に興味なし」という組織です。それはもう、清々しいまでに全然興味なし、と言ってくださいました。これは最低条件なんだと思います。どんなに小さな組織、単位でも、ボスが権威が好きだと非管理型組織は作りえないと思います。

5 ゲームのルールが明確

 パーパスがあれば事業は続くのかというと、そうではなく、ビジネスであれば勝たなければなりません。そのためのコアコンピタンスみたいなものがあって、かつそれが社内で皆にシェアされていることがポイントがと思います。ビジネスに勝つ、というのは、業績を急成長しなければいけないという話ではないんです。「自分たちにとって勝つとは?」という定義がそれぞれあるんですね。コアコンピタンスは変わることもあるけれども、変わるにしても存在し続けている。そして社内で理解し、信じられていることが大前提です。

6 能力と貢献が可視化される

 皆の仕事が評価できる状態、データとして可視化される状況を作れるようになったことが、非管理型組織を実現させたのだと思います。まさに、テクノロジーの恩恵ですよね。第1回のセッションで、武井さんのお話に対し「管理する人がいなくて、サボる人はいないんですか?」という声が上がりましたが、そもそも評価が可視化されているわけですし、サボろうという気持ちになる人がいないということですね。

7 多様性が共生する組織

 多様な人たちがいるということは、裏返すと主体性がたくさん存在するということだと思います。主体性×人数が非管理型の組織を作っていく。逆に、主体性のない人は多様性の一因にはなれないんです。非管理型組織には主体性のある個人が集団になって多様である、ということが大前提です。

8 高い規律を持つ組織

 高い規律を持つためには、思慮深さが求められます。非管理型経営になりますと、1人1人の意思決定がかなり重いものとなりますので、1人1人が社会に対して与える中長期的インパクトなどを考えなければいけないのですね。

9 高いコミュニケーション力

 これも必要です。各々の意思を伝え合った上で、自分たちで決めていく組織ですから、誰かが決めてくれる組織よりも高いコミュニケーション能力が求められると思います。中で起きた対立も、自分で解決しなければならないわけですよね。そして、テクノロジーも駆使することでリアルに会話するだけでなく、チャットや遠隔での会話などバーチャルの要素が増えていることも、コミュニケーション能力が求められる一つの要因だと思います。

10 課題解決に向かう組織

 非管理型組織だと、管理する人がいないので課題が山積みになりませんか?という質問が出たことがありますが、組織のパーパスと自分がそこにいる意味がつながった主体的な個がいると、自然と課題に気づいて動く、という話がありました。課題に気づくためにはマインドフルである必要があるということで、中には皆で瞑想しますという話も聞かれましたが、心が乱れていない状態で自分が本来そこにいる理由と組織の目的がつながっていると、自然と課題解決に組織全体が向かっていくということもわかりました。

11 強い一体感を持つ組織

 管理型の組織ですと、たとえパーパスがはっきりしなくても組織の枠組みがあり、上から指示も降りてきます。だから、一体感がなくても何とか回りますよね。でも非管理型の組織はパーパスがしっかりしているからこそ繋がれるんです。同じ会社だからとか、部署だからと言った人間関係の形式上のつながりではなく、パーパスを核に強く繋がる集団になるための努力、仕掛けをそれぞれされていて、その結果強い一体感が生まれていると感じました。

12 組織はみんなで創るもの

 企業経営の民主化という言葉がぴったりだと思いますが、組織のデザインはもはや経営者がするものではないんですね。そこに集う人たちが自らの意思と頭で作っていくのが組織なんだということです。

補足をさせていただきますと、非管理型経営というのは、テクノロジーの革新によって生まれてきたことを忘れてはいけないと思います。いろんな情報が入手可能になったことが引き金になって、企業経営の民主化が始まっているのです。
そして権力が分散化されることにより、これまで私たちが「それって経営マターだよね」と経営陣に投げていたものが、自分たちで考えて経営者感覚で会社を動かしていかなければならなくなります。その意味で、私たちの視座をもっと上げていかなければならないと感じました。
また、経営を民主化する人たちの”セルフマネジメント力”が、今までよりもずっと高く求められていると思います。指示命令に従うのではなくて、自分が何を期待されているのを掴み、期待値に対するマネジメントができるようになる必要がありますし、結果へコミットするために自己管理というのも必要です。これは結構大変になる、という現実が見えてきました。

非管理型経営についてはまだまだ捉えきれていないことも多いですが、いろんな変化を直視しないとこういう組織は作れないだろうなというのが私自身の認識です。このテーマをもっと掘り下げていって、誰もがステップを踏んで作りやすい状態にしていきたいなと思います。形が1つじゃないということは皆が1人1人クリエイションすることが重要になってくると思うからです。


 ■非管理型組織が「学習する組織」である理由 

私は”学習する組織”を専門にしているのですが、非管理型経営の実情を学ぶ中で、学習する組織にとつながることばかり!とひらめいてしまいました。学習する組織というのは、何か起こりうる未来を作るために、人々の気づき、学び、能力が高まっていく組織のことをいっています。この組織には5つの力が必要だと言われています。

1番目は、システム思考。組織を変える上で、その組織、氷山の形を自ら設計するために、その下にある制度や仕組み、労力、テクノロジー、そして根底にある人々のマインドをどう理解し、設計していくのか。

2番目は、対話。非管理型なわけですから、指示命令が動くという概念が消えます。その時に、組織の中のコミュニケーションは全く違ったものにならなければならず、時に起こる対立も自ら乗り越えていかなければならない。対話型の相互学習的な学びというのがすごく大事になります。

3番目は、メンタルモデル、メタ認知力。これは多様性に向き合っていく上で必須のことだと思います。主体性が多様性のスタートであるということは、自分を知っていないと多様性と向き合えないわけです。自分の思考や行動をメタ認知する力が求められてきます。

4番目は、共有ビジョン。これはまさに非管理型経営のパーパスと同じです。ビジョンがきちんと存在して、メンバーが大事にし行動していることが必要ではないでしょうか。
前提として、学習する組織では”パーソナルマスタリー”というものが大事だと言われています。自分は何者で、どこからやってきたのか。今、どこにいるのか。これからどこに向かうのかということです。これをはっきりと答えを持っている人でないと学習する組織は作れないんだと言われているのです。なぜなら、自分の意思がないと、パーパスとつながっていられないからです。

5番目は、クリエイティブテンション。もし組織のパーパスを自分事として捉えていて、とある目の前の現実がこのパーパスを阻害しているとしたら、その現実を放置しない、という強い意思。それがクリエイティブテンションです。

こうして見ていくと、学習する組織に必要な力は、非管理型組織を作る上で必要なことと同じだと思います。尚”学習”というと、いわゆる学校での勉強を想起されてしまうのですが、成長することも学習ですし、問題を解決すること、成熟すること、創造クリエイションも学習です。転用することにも学習が必要です。私としてはこうした力とリーダーシップ、チームがあることによって、人は幸せになれるのではと感じています。

学習する組織とも大いにつながっている非管理型組織。ここに向かっていく間にどんなプロセスがあるのかはわかりませんが、今は管理型と非管理型のハイブリッドの時代ではと思っています。働き方改革の観点からも、従来の管理型組織が壊れ、新しい形になろうとしていますし、この流れは止まらないのではないでしょうか。

こうして非管理型に向かって行くためには、個々が自立しないと成立しないわけですよね。働き方にも兼業、分業という話が増えてきていますし、自己成長に対する責任も個人にあると思います。そうすると、これからの時代は”個”の覚醒が最大のテーマだという風に思います。組織は誰が作るかというと、個が作るわけです。私たち個人が人と関わり、何かを成し遂げていくということはどういうことなのかを考えるときに来ている気がします。

 ■「個の変容」が起きる時代 

続いて、山下悠一氏からは、こうした非管理型経営に必要となる”個”の覚醒について話があった。アクセンチュアに12年ほど所属し、大企業の組織変革に関わった経験を持つ山下氏。その中で、企業組織の変革が個人・社会の変革につながりにくいことを感じ、資本主義の先にくる世界をデザインしようと、新しい共同体の形成、個人に向けた大企業側の資本主義を融合させるような活動をしている。大きな時代の変革の中で、非管理型組織が注目されるのはある種必然であること、個の覚醒に必要なものとは一体何なのだろうか。

山下:VUCAワールド、シンギュラリティといったワードが出てきている今、組織は、人間はどうなっていくのか。ジャック・アタリは、2030年ごろには国がなくなり、企業がなくなるという話をしています。社会のシステムが変わり、それを支えていくマネジメントシステム、そのシステムを支えている人間の行動までもが変わっていきます。そして意識が変わっていく。

これからは個人の意識から社会システム全体まで、因果関係あるものすべてが表裏一体になってホリスティックに変容していくということです。ホラクラシーといった組織論の話が出てきているのは、この変化の一部にしか過ぎません。重要なのは、その変化の根本にあるのが”個”の意識変容だということ。特に、大企業や今の既存の社会で完全に凝り固まっているメンタルモデルを変えていかない限りは、変容していくのは難しいと思います。

では、個の意識の変容はどう表せるのか。これは個人の意識レベルというものを、色別に表現したものです。「ティール」で有名になったと思いますが、色でいうと赤からバイオレッドまでのグラデーションで表現されているんですね。ティールは青緑色あたりの段階です。ここに到達している人は、人類の中ではまだ1%いるかいないかと言われています。自己中心的な意識、から自民族中心的な意識、世界のことを考え出す意識、それからもっとさらに多元的に考えるようになる次元。このさらに上というレベルの意識にティールのレイヤーがあるんですね。意識レベルというのは一足飛びにジャンプできなくて、子どもの発達理論と全く同じようにステップアップしていくんです。そして、本来は自然の遷移と一緒で上に上がっていく。ですが、今僕らが問題になっているのは、合理性という世界、絶対科学が正しいという世界に執着してしまっているということです。

ティール、ホラクラシーの目指している世界観は、今までのどのレベルとも全然違う「超越し包含する」という考え方です。今出てきているあらゆる考え、例えば「平等が大事だよね」「自己実現が大事だよね」「絶対的なヒエラルキーが大事だよね」といったあらゆる派閥、人たちを全てひっくるめて受け入れる、そんな段階です。これを統合的に行おうとするのは、なかなか難易度が高いと思います。

今まで僕らが生きてきた世界のメンタルモデルは「積極的にやりましょう」「リーダーになりましょう」という”doing”の要素が軸でしたし、人から見てどうか、人と比べて位が高いとか、お金持ちだとか、社会が求める理想を生きさせられるような、そんな社会でした。でもこれからは客体性と主体性という軸が非常に大事になってきます。自分の本当のビジョン・ミッションとつながったところに生きるという”being”を軸にした生き方が大事になってくるということです。資本主義を超えた共同型の主義社会というのは、自分らしくあるがままに生きるということになってくると思います。

このときポイントになるのは、今までと対極にある”消極的な自分”、心理学では影、シャドーという言い方をする部分を自分の中でどれだけ受け入れられるかということ。これが人類が変わる大きなポイントです。自分の影は相手や社会をすべて反映しています。例えばもし、相手のことを「すごく嫌なやつだな」と思ったら、それは自分の影を投影しているというわけす。自分のシャドーを受け入れることが、メタ認知レベルで大きく変わっていくポイントことだと思います。


 ■個が変容するためには何が必要か 

こうした個の変化を受けて、組織における考え方はどう変わるか。管理型から開放型に変わっていくし、計画主義、コンセプト重視の世界から体験的・直感的、マインドフルといった、感情の部分がすごく大事になってきます。

これまで、ティール、ホラクラシー、ハッカソン、アイディアソンなどといった外的な手法論は、いくらでも出てきました。でもなかなか上手くいかない。それはなぜかというと、個々の内的な変容が行われていないからです。いつもと変わらない会議室、上司部下の概念に縛られた自分、変化することのない社会の中における自分の意識、それが変わらない限りイノベーションが起きるわけがない。なので、個人の変容を起点にして、人と人との関係性を内側から変えていくということと行動から外的に変えていくということを、同時にホリスティックにやっていく必要があると感じています。

僕は脱会議室、脱思考、脱組織をコンセプトにした、ウェルビーングな衣食住、場所、感度で、できるだけ普段我々がしている思考を捨て、いつもと違う仲間たちで行うエンライトメント研修と呼ばれるものをやっています。そのときに重要になってくるのが、食事、運動、瞑想、睡眠といった、一見単純で基礎的なものを大事にしていくということ。人間の脳や身体にとってすごく気持ちのよいものなんですよね。これを与えていれば、心理的に安定してきます。こうしたことをやりながら自分の感情や影と向き合って、明日からどうする?といったリトリートを行っています。もう1つ、エンボディメント研修というリーダーシップ、意識の変容を体現していく、身体化していくというのも、これからの企業のプラクティスにおいて重要だと思います。

「ティール」には個人のホールネス(全体性)が大事になってくると言われていますが、それは実は非常に大きなことを言っているんです。これまでの世界は国家、金融、企業という3つの大きな権力によって成り立っていて、個人というのは部分化されていたんですよね。でも、シェアリングエコノミー、ブロックチェーン、限界費用0といったことが現実になってきた時に、この3つが解体されようとしていることと、個人が変容して自分に目覚める、全体に目覚めることが表裏一体になっている。企業の解体と一体化して進んで行くということなんです。

これまでは企業という呪縛に囚われ過ぎていたんですね。企業というものが自己目的化しすぎたことによって、個人とか社会というのがないがしろにされてきた。僕はよく、企業は一回死にましょう、そして企業を”手段”として覚醒した個人と、その覚醒した個人で成り立っている超企業のコミュニティを新しく産みましょう、というんです。武井さんのダイヤモンドメディア社も、1個の企業を超えていますよね。企業の皮の内側・外側ってあいまいです。これからの社会、個人の変容によってこういったことが起きてくると思います。

ホラクラシー、ホリスティックな変容が求められている今、根本的に個の覚醒をやらなければならない。そのためにはエンボディメント=どう具現化していくかという仕組みがすごく重要だということです。僕はこれから、目覚めた個人を支えていく受け皿を作っていけたらいいんじゃないかなと思っています。


– 山下さんのお話を受けて、武井さん、いかがだったでしょうか。

武井:山下さんのプレゼン内容、100パーセント同意です。山下さんや僕だけでなく、学者やいろんな方々があらゆる方向からアプローチして浮かび上がっている事実だと思います。よく「非管理型経営のメリット、デメリットはなんですか」ということを聞かれるんですが、メリットデメリットの話ではなく、これからの時代これしか進む道がないと思うんですよ。その道に前例がないから、手探りで進んでいる、ただそれだけで。とても感覚的なんです。

キーワードとして出て来た全体性は非常に重要だと思っていて。面白いのは、個人が元々持っていた感覚を取り戻していくのと同じように、そして学習する組織とも同じく、組織を生き物としてとらえてデザインしていくということを僕らはやってきました。組織は、人間の体と同じだと思っているんです。心臓と胃と肺と部品を集めたら人間になるかといったら、ならないですから。生きてるということ、生命性というのを研究しないと次なる組織というものはデザインできないと思っています。

VUCA時代がなぜ起こっているかというと、ITの誕生と人口の減少、この2つがあるからなんですよね。こうした新しい組織や教育がどこで生まれているかといったら、「ティール」にも書いてありますが、ヨーロッパのような人口が頭打ちになった、国土の狭い先進国なんですよ。余剰のないところで。これは優れているかどうかではなくて、単に必要性、必然性があるからだと思っているんですが。その中で日本は宗教がごっちゃに存在しているような器の広さ、感性を持っている、かなり可能性を持った存在なんじゃないかと思っています。近代的な合理化で失われてしまった完成みたいなものが、今ようやく戻り始めている。スティーブ・ジョブズもやっていた禅が見直されているというのもそうですし、何か全部つながっている感じがしますね。

(文責:武藤あずさ)

(撮影:梅田眞司)